NVMe SSD SN850XとHS-1110-Rの温度

Archgon HS-1110-RでNVMe SSDの発熱を発散させて冷却する

Archgon HS-1110M.2 2280のSSDを挟み込んで熱を発散させるヒートシンクです。

素材はアルミ合金となっており、上部は空気に当たる面積を増やした形状となっています。

PCケース内の風がヒートシンクを流れていくと熱を奪っていく仕組みです。

HS-1110-Rはヒートシンクの色が赤、HS-1110-Kは黒、HS-1110-Sは銀色となっています。

Archgon HS-1110の最大の特徴は上からのネジで引っ張って密着させる構造となっています。

横からのネジ止め式よりもしっかり密着して熱を伝えるので、冷却効率が高いです。その代わり、強く締めすぎに注意が必要です。

HS-1110-Rの構造と取り付け

黒いケースにSSDを差し込んでおおよその長さを確認します。

前方の長さに余裕がないとSSDをM.2ソケットに差し込めなくなり、後方の長さに余裕がないとネジを締めることができなくなるのでどのぐらい余裕があるかを仮止めして確認するのが良いです。

SSDの背面にチップなどがない場合は4カ所にパッドを貼り付けて、チップの熱がケースに伝わるように基板が直接ケースに接触しないように保護します。図と日本語の取り付け説明書が付いているので分かりやすいです。

背面にもチップなどがある場合はチップの部分に熱伝導シートを貼り付けて、チップなどがない部分にはパッドを貼り付けて基板がケースに当たらないように保護します。

熱伝導シートの位置は両端のはみ出す長さを考慮して合わせます。シートの長さはケースの長さと同じになっています。

貼り付ける面のビニールを剥がして表面のチップを覆うように熱伝導シートを貼り付けます

熱伝導シートの表面のビニールを剥がして、黒いケースに差し込みます。差し込むときに途中でシートが張り付いてしまわないように注意が必要です。背面がパッドの場合は背面を滑らせるように差し込むことができます。

上部のヒートシンクをネジ穴に合わせて4カ所を均等にネジ止め。

ネジの締め付けは熱伝導シートがピッタリくっ付くのが良いです。

強く締めるとシートが潰れる感じになり、更に締め付けすぎるとチップを破損してしまう恐れがあるのでほどほどが良いです。緩くて隙があると効果が無いので、付属のマイナスドライバーを使ってしっかり締めます。

シートに段差ができてしまうと再利用ができないので、他のSSDに付け替える場合には厚み1mmの熱伝導シートを購入して使います。

ヒートシンクなしとありでの温度変化

ヒートシンなしM/BヒートシンクありHS-1110-R使用
気温28℃28℃27℃
M/B40℃38℃38℃
SSD アイドル53℃47℃43℃
SSD ベンチマーク88℃66℃58℃

M/B温度はマザーボードの表面の温度に近いもので、SSD アイドルはベンチマークを実行する前の待機時の温度です。

SSD ベンチマークはCrystalDiskMarkを実行したときの最大温度です。

ヒートシンクなしの温度変化グラフ

M/Bヒートシンクありの温度変化グラフ

HS-1110-Rを使用した場合の温度変化グラフ

ヒートシンクがあると上がった後に冷めやすいというよりも、熱が分散して広がることでSSD内部の温度が上がりにくくなっていることが分かります。

ヒートシンクなしとありでの動作速度の違い

ヒートシンなしM/BヒートシンクありHS-1110-R使用
SEQ1M Q8T1 Read7210.832 MB/s7149.156 MB/s7170.087 MB/s
SEQ1M Q8T1 Write6634.584 MB/s6547.016 MB/s6555.794 MB/s
RND4K Q1T1 Read74.577 MB/s67.325 MB/s94.652 MB/s
RND4K Q1T1 Write173.947 MB/s169.624 MB/s179.726 MB/s

ランダム4Kの読み込みのバラツキが大きいですが誤差です。

SN850Xの動作時の温度範囲は0~85℃とありますが、ヒートシンク無しで温度が超過してても性能が制限されてる感じはありませんでした。

AS SSD Copy-Benchmarkでもヒートシンクによる性能の差がありません。

ヒートシンクなしの性能

M/Bヒートシンクありの性能

HS-1110-Rを使用した場合の性能

M.2ヒートシンク HS-1110-R と熱伝導シートの販売店リンク