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Synology DS923+の性能

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Synology DS923+の性能について

HDDの転送速度について

転送速度は1Gbps接続ではHDDの速度よりも遅いため、最大転送速度はDS218DS923+のどちらも115MB/s前後ですが、メモリ容量が増えたからか使用中のディスクでのランダムアクセスが向上しています。1GiBまでは早くて、4GiBや16GiBでは読み込みが低下していますが、書き込みはメモリバッファが効いてるのか低下が抑えられています。DS218では書き込みも大幅に低下していました。

メモリについて

DS923+のメモリを確認すると、4GBのメモリ搭載で、予約と使用中で1.2GBほど、バッファが200MB程度、キャッシュ済みが約2GBから、空きが500MB以上という状態になっています。標準搭載の4GBでは余裕はなさそうです。DS923+未満の製品のメモリ2GBではやはり厳しそうですね。メモリは合計8GB以上に増設したいところです。

DS923+で使えるメモリはDDR4 2666MHzECC Unbuffered SODIMMとなります。DS923+とDS723+よりも下のランクのDiskStationはECCではない通常のタイプとなります。購入前に調べたところ、警告は出るけどDS923+でもnon-ECC(ECCなし)メモリも使えるらしい。ECCメモリにはUnbuffered の他にRegisteredタイプもありますがこちらは非対応です。

WordPressのベンチマーク WordPress Hosting Benchmark tool

WordPressのベンチマークを実行してみると、DS218ではスコアが3.5でしたが、DS923+では6.9高まりました。

CPU & Memoryが大幅に性能アップ、Filesysytemも性能アップ、巨大なデータベースの測定は設定でスキップさせています。

DS923+でもHDDへのアクセスが発生するときにもたつく感じはありますが、メモリに読み込まれてしまえば問題なく、動作が結構スムーズになりました。

消費電力について

DS218は5.78W(アイドル)、14.99W(負荷時)ですが、DS923+では11.52W(アイドル)、35.51W(負荷時)となっています。ディスクを追加するとさらに、ディスクの消費電力が加わります。アイドル時の消費電力が2倍になっていますが、大きい電力ではないので常時電源ONでもあまり気にする必要は無さそうです。

契約している電気代が1kWhが32円とすると、30日常時アイドルで300円(12W * 24時間 * 30日 / 1000[1kWh単位] * 32円[1kWhの電気代]) 、常時フル稼働で本体は900円といったところ。

本体の消費電力よりもディスクの消費電力の方がはるかに大きくなりますね。

CrystalDiskMarkでPCとのデータ転送速度を測定

PCは2.5GbEのLANポートを使用しています。2.5GbEの最大速度は300MB/s、1GbEの最大速度は120MB/sが理論上の最大となり、実用速度はそれよりも下がります。

測定のためにDiskStationのパッケージなどを停止させずに普段の状態で測定しています。

DS218の性能

測定回数が1回のみになっていたので、誤差が大きいです。

読込速度は116MB/s前後でLAN速度の限界となっています。書き込み速度がどこかにボトルネックがあるようで遅くなっています。

256MiBの測定ではランダムQ32T1の読み込みが51MB/sと大きめに出ているのはメモリキャッシュ(バッファ)が効いている感じです。1GiB以上のサイズではバッファよりもデータサイズが大きいのか普通にHDDへのランダムアクセス速度に落ちています。

DS923+ 標準の性能

LAN 1GbEでの接続なので、最大速度はDS218の時と同様に116MB/s前後となります。

DS923+はCPUとメモリ性能と、メモリの容量(4GB)が大きいのでDS218(2GB)よりも安定しています。

DS923+ メモリ増設での性能

標準で4GBのメモリに16GBのメモリを追加して20GBになりました。

ここではメモリの中のバッファが204.8MBとなっています。

ここではメモリを追加したばかりであるため、空き領域が大きく無駄な容量になってしまっていますが、使用していれば空き容量はキャッシュ(呼び出しの多いデータを高速なメモリに置きっぱなしにする)で活用されます。

ランダムデータの書き込み速度が高いのはメモリバッファが効率よく効いてるようです。ランダム読み込みも1GBまで早くなりました。

「バッファ」は主にファイルシステムの読み書き操作を効率化するために使用されます。「キャッシュ」は過去にアクセスされたデータやプログラムを高速に再アクセスするために用いられ、システムの全体的な応答性を向上させる目的で使用されます。

DS923+ 2.5GbE接続での性能

オプションの10GbEネットワークカード E10G22-T1-Mini を使用しています。PCと仲介するハブが2.5GbEであるため、ネットワークは2.5GbE接続となります。

2.5GbEでは理論上の最大転送速度は300MB/sであるため、実測値は290MB/s超えとなっています。

ストレージははTOSHIB MN08ACA800 8TB HDDが2台によるSHR(RAID1)構成となっています。

メモリは標準の4GBなのでメモリ増設をしたときよりもバッファが少なくなっており、標準の性能と同じ傾向となっています。ネットワーク速度が上がったことで全体の速度が大きく向上しています。

PCが2.5GbE以上のLANポートを搭載していて、NASを外部ストレージと使う場合はメモリ増設よりも影響が大きいです。

DS923+ 2.5GbEとメモリ増設での性能

結論、最高ですね。

4GBのデータでも高速で、普通にPCの外部ストレージとして活用することができます。

PCとの接続を10GbEにしてNASのHDDを3台以上のRAID5にするともっと高速になります。

WordPressのベンチマーク WordPress Hosting Benchmark tool

DS218の性能

WordPressの管理画面にログインするのにも待たされる状態です。

ベンチマークではCPU & Memoryのスコアがとても低いです。DS218に搭載されているCPUとメモリの性能不足ですね。

DS923+ 標準の性能

WordPressの管理画面へのログインがスムーズになりました。瞬時に表示されるわけではありませんが、実用上は問題のない早さになりました。

ベンチマークではCPU & Memoryのスコアが大きく向上しています。ファイルシステムは満点に近いスコアになりました。

データベースはエラーになります。SSDではなくHDDだからでしょうか。

トータルスコアはデータベースのスコアに左右されてしまい、5.9~6.9での誤差が大きいです。DS218の3.5から大きく向上しています。

DS923+ 2.5GbE接続での性能

WordPressの内部の動作にはLAN速度がほとんど影響しないので誤差ですね。

DS923+ メモリ増設での性能

メモリ容量を4GBから20GB(4+16GB)に増やしてもCPU & MemoryとFilesysytemのスコアは変わらず。WordPressの動作は標準のメモリ4GBでも充分という結果です。

DSMのシステムや他のパッケージの動作などでメモリ使用量が大きくなるとメモリ不足で低下する恐れはあるので、メモリを増設しておくと性能低下が起きずに安心です。

データベースのComplexスコアがなぜか大きく低下していてトータルスコアが大きく下がってしまいました。データベースの測定ではエラーが出ているのでここは気にしなくて良さそうです。

DS923+ 2.5GbEとメモリ増設での性能

エラーが出ずになぜか完走できましたがデータベース関係のスコアがとても低く、トータルスコアも低くなっています。

何度か試すとエラーが出たり出なかったりしましたが、正常であってもデータベースのスコアがほぼ0に近いものでした。ディスクがSSDではなくHDDだからでしょうか。WordPressのバージョンとベンチマークとの相性があるのかも。

NVMe SSDキャッシュを使ったらどうなるか?

NVMe SSDを使用してもベンチマークには影響がありませんでした。

SSDキャッシュには WD Black NVMe SSD SN700-500GBとSN750-1TBを使い200GBを割り当てています。2つ接続することでRAID1によるRead/Write(読み書き)キャッシュとなります。1つだけの場合はRead(読み込みのみ) キャッシュとなります。

SSDキャッシュは頻繁に読み書きするファイルをSSDで行います。その時限りのデータを使うベンチマークでは影響しないようです。

SSDキャシュを有効化したばかりは、SSDとHDD間のシステムのアクセスが頻繁に発生するためHDDを使うベンチマークの動作が遅くなる傾向にありますが気にする必要はありません。

SSDキャッシュはユーザーの操作によるものよりも、NAS内部での動作に大きく影響します。SSDキャッシュに十分な容量があると、使用していないのにHDDのアクセス音がゴリゴリしているという内部のアクセスが少なくなります。システムやパッケージの動作でHDDにアクセスするのが減ります。

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